~じゅうたん詐欺?ぼったくりバー、いろいろあったけど、やっぱりイスタンブルは素敵な街でした~
DAY4:2019年2月6日(水)その3
~ソファーに座るだけで3万円!~
ソファー上で身動きがとれなくなったぼくに、店の女性店員は、たどたどしい英語で
「何飲む?」
と聞きながら、ぼくの手を取り、自分の太ももあたりに、その手を持って行こうとしました。
ぼくは、手を振り払い
「ベリーダンスを見に来ただけだ。
それがないなら何もいらない。
帰してくれ!」
と、抵抗しました。
店の店員は、
「この店は、入って席に着いたら1000トルコリラ(日本円で3万3千円くらい)だ」
女性店員はさかんに、ぼくの手を取り、自分の身体の方に引き寄せようとしていました。
どうせ、
「足さわったから○○TL」
「胸さわったから○○TL」
と言うに違いないと思ったので、絶対に接触だけはしないように努めていました。
~あとは、どう被害を少なく逃げるかだ!~
ぼくは、1000TLと聞いて、頭の中で3万3千円くらいだと計算しました。
「そんなお金は持っていない」
と言うと、店側は
「本当か?」
と、疑いの目を向けてきました。
ぼくは、本当に持っていなかったのです。
ぼくは普段から「ふらブラ」するときには、3000円くらいしか現金を持ち歩かないことにしています。
必要ないからです。
それから、ぼくは財布を持ち歩かないのです。
現金やカードを直接ポケットに入れて行動しています。
財布は何かあったときのリスクが大きいからです。
旅行中は、パスポートもカードも両替するとき以外は、持ち歩かず、スーツケースの中に保管し、もちろんロックし、ホテルの部屋のベッドの足など固定物にチェーンロックをかけて出かけるのです。
一眼レフカメラは普段は持ち歩いていますが、その時は、一端ホテルに帰った後、
「どうせ夜景だから一眼だと面倒!」
と考えてホテルに置いてきたのでした。
だから、
「身ぐるみはがされても、3000円程度の現金といくらか残っているイスタンブルカードとミュージアムパスだけ。
全て盗られても3000円くらいなら授業料だと思ってくれてやることはできる」
「むしろ、外国で怪我したり、命を落としたりしたらシャレにならない。
それだけは、絶対に避けたい」
と、考え、
「調べてくれ。ポケットの中身を全て出すから立たせてくれ」
と、言って、立ち上がり、店員たちを押しのけ無理矢理、テーブルの向こうサイドまで行くことができました。
逃げられないように店員たちが数人で取り囲んできましたが、自主的にポケットからお金を取り出しながら、出口近くのカウンター方向にゆっくり進んでいきました。
そして、カウンターに取り出した現金を置きました。
その時、偶然だと思いますが、小銭をカウンターから落としてしまいました。
みんなの視線がその小銭に注がれた瞬間、もう一人のぼくが、
「逃げろ!逃げるなら今だ!」
と、叫んだのでした。
~久々の全力疾走!~
ぼくは、その声に促されるままに出口に向かって、猛然とダッシュしました。
出入口のドアは内側に開くのを覚えていたので、全力でドアを引っ張り、外に飛び出したのです。
「とにかく、大通りまで全力疾走だ」
日頃の運動不足のせいで、苦しくなって途中で何度も歩きたくなりました。
大通りまでの方向は頭にたたき込んでいたので、意外に道に迷うことなく、明るいメインストリート「イスティクラール通り」に到達することができました。

入り組み過ぎているため、どこの店かは、特定できません。
「イスティクラル通り」は赤マーカーです。
そこで、「はあはあ」肩で息をしながら、やっと後ろを振り返ることができました。
追っ手は、だれもいません。
もしかしたら、店の外には、だれも追っ手は出なかったのかもしれません。
それすらも、分からないほどの無我夢中の全力疾走だったのです。
小学校6年生の時、一人でカブトムシ採りに山に入り、黄色い涎(ゆだれ)を口の脇から垂らした野良犬に追いかけられたとき以来の無我夢中の全力疾走だったかもしれません。
とりあえず、最小限の被害でした。
お金はとられましたが、持っていたスマホ2台、イスタンブルカード、ミュージアムパスは、無事だったし、何と言っても命があるし、怪我もしていません。
久々の全力疾走で、明日は厳しい筋肉痛だろうと思いますが、その程度で済めば「御の字」です。
まだ、足が震えていましたが、足早にホテルに向かいました。
地下鉄とトラム(イスタンブルカードのおかげで現金がなくても乗ることができました)を
乗り継いでホテルに着いたときには、さすがに、ぐったりしていました。
「明日からは、決して危険なことに足を踏み入れないぞ!」
と心に誓いながら、ベッドに横たわりました。