~じゅうたん詐欺?ぼったくりバー、いろいろあったけど、やっぱりイスタンブルは素敵な街でした~
第6話:DAY3-2(じゅうたん詐欺?前半)
DAY3:2019年2月5日(火)その2
<出会ったのは、じゅうたん詐欺師?>
~日本語で男にナンパ?~

トルコ・イスラム美術博物館を出て、レストラン探しの続きをしていた時、笑顔で、しかも日本語で声をかけてくる男性(以後、A氏と呼びます)がいました。
「ご飯食べた?」
「日本人だね。ぼくは日本人大好きだよ」
「一緒にご飯食べよう。おごるよ」
地球の歩き方にもトルコ名物(笑)「じゅうたん詐欺」の記事は出ていました。
旅の番組などでも、甘い言葉には十分、気をつけなければならないことは、承知しています。
でも、心の中で
「じゅうたんなんか、買わなきゃいいだけの話」
と、高をくくっていたところがありました。

ちょうど目の前が、中華レストラン「長城」(名前をあえて出します)だったので、
A氏に誘われるままに、そこに入っていったのです。
(上の地図の「Chang Cheng 」と表記してある地点です。中国語「Chang Cheng」は、「長城」のことです)

~中華料理で大歓迎?~

中に入ると、少し前の中国人かと思うほど、食べきれない程の料理を注文してくれました。
余談ですが、ちょっと前の中国人は、食べきれないほどの料理を出すことが「歓迎」の気持ちの表れだと本気で考えていたようです。
20年くらい前、交流のお仕事で中国に何度も行く機会がありましたが、そんなことは露知らず、「出された物は残したら失礼」と、必死で食べていたら、次から次へと料理が出てきて遂にギブアップ!ということが何度かありました。
そんな当時の中国を思い出させるくらいの料理の量でした。

~北川景子さんをお世話した?~
会食の最中、A氏は、
「ぼくは、日本人のイスタンブル旅行コーディネーターをしている。
ちょっと前には、北川景子をお世話したよ」
と、北川景子さんとのツーショット写真を見せてくれました。
天下の北川景子ですよ。
北川景子さんのトルコ紀行番組、確かにありましたよね。
ぼくも見た覚えがあります。
日本人は、こんな話に弱いですよね。
有名人と知り合いだというとすぐに、その人を信じちゃいますよね。
「いい所、突いてくるな」と、感心している場合ではありませんが、感心したのは確かです。
~上海でじゅうたんを売る?~
お酒がビールから紹興酒にかわったころ、A氏が
「ぼくの本業は、じゅうたん販売。今、中国上海にじゅうたん販売の拠点を探しているよ」
「あきらは、上海で働いている。ここで出会ったのは、神様のおかげだ」
「ぼくの、商売の協力してくれないか?」
「いよいよ、来たな」と、ぼくは身構えました。
「何をどうすればいいんだ?」
「今すぐにどうということはないが、あきらが上海に帰ったら連絡してもいいか?」
(すでに、ファーストネームで呼んでいる)
「協力といっても出せるお金はないけど、それでもいいのか」
「大丈夫だ」
「じゅうたんを仕入れて、俺に売ってくれとかそんな話には乗れないぞ」
「大丈夫だ。そんなことは言わない」
「とにかく、上海に知り合いがほしい」
「本当にそれだけかな?」と内心思いましたが、自分を客観的に見ると
①金持ちそうには絶対見えない。
・着ている物はフリースにアウトドアズボン。
・時計はカシオのGショック。
・唯一高そうなのはオリンパスの一眼レフカメラくらいだけど、ほとんどの日本人観光客が持っているレベルのもの。
②職業は普通の教員。
・自営で何かやっているわけではないので、収入は想像を超えることはない。
③親族に金持ちがいるわけではない。
④外見が商売になるなんて考えたことがないほど、老けた冴えないオヤジ
⑤英語や中国語など外国語が堪能というほどではない。
・むしろ中国で暮らし、アメリカンスクールに勤めている割には、英語・中国語の上達が全く感じられない「ていたらく」。
・さらに、商売の役に立つ特別な能力や資格、経歴など全くない。
だから、ぼくを詐欺にかけても、ビジネスパートナーにしても、いいことがないのは明白だ、と、思ったらなぜか安心感が沸いてきました。
~いよいよ、じゅうたん屋に連行?~
話が盛り上がり、お酒も紹興酒から禁断の白酒(中国語でバイジュ)に移りました。

実際にA氏と茅台酒を飲んだわけではありません。
白酒とは「こうりゃん」を原料として造ったアルコール度数が45~70度くらいある透明の中国製蒸留酒です。
かぐわしい香りがファンを虜にします。
ぼくも大好きですが、飲み過ぎると度数が高いので、いろいろな意味で非常に危険なお酒です。
白酒の中で、特に世界的に有名なのがマオタイ酒です。

白酒を飲みながら、A氏が、
「ぼくの店に来てくれ。うちのじゅうたんをあきらに見せたい」
ここまで来たら、断る理由はないですよね。
中華レストラン「長城」から徒歩5分くらいの所にA氏のじゅうたん屋はありました。

「あれを買え、これを買え」
と言うのかと思っていましたが、全くそんな気配はありません。
「ぼくが扱っているじゅうたんは、まがい物ではなく、本物なのだ」


ということを強調しながら、店中の商品を見せてくれました。
~弟子?の登場。弟子にバトンパス?~
すでに時間は、夜9時過ぎになっていたと思います。
そろそろホテルに帰ろうとした頃、A氏が、
「ぼくは、明日が早いから、夜遅くまで付き合えないけど、この男がこれから、あきらの行きたいところに連れて行く。この男は、ぼくの弟子だ。心配はいらない。お金の心配もいらない。日本語はしゃべれないけど、英語はしゃべれるから、話は通じるだろ」
酔いのせいで、警戒心は、もうほとんどなくなっていました。
こうして、申し出を素直に受け入れ、イスタンブルの夜の街に若いお弟子さん(以下B氏と呼びます)と繰り出していくのでした。