DAY2:2017年11月30日(木)その1
昨日は、西安修学旅行の1日目でした。
ブログの記事にはしませんが、みんなで泊まるホテルの1泊目は、日本の子どもたちと変わらず、楽しくわいわいガヤガヤやっていたようでした。
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アクティビティ情報はもちろん、周辺の観光スポットやグルメ情報など、
お出かけに役立つ情報が盛りだくさんの
「SOTOASOBI(そとあそび )」です。
~仕組んだサプライズ~
1学期の終わりあたりから、子どもたちと、西安の修学旅行について、いろいろ考えてきました。
いろいろ資料を集め、「観光地」や「アトラクション」など子どもたちと、考えながら、積み木を積み上げるように計画を立ててきました。
でも、何かスパイスが足りないような気がしていました。
ぼくは、普通の観光旅行では体験できないような「何か」を取り入れたいと考えていました。

夏休みで日本に帰っている時、偶然、NHK「アナザーストーリーズ」を見ました。
それも再放送です。
沢尻エリカさんがナビゲーターをやっていたあの番組です。

「兵馬俑は見ていた!~巨大遺跡に翻弄された人々~」というタイトルでした。

その番組で、1974年、楊志発さんという人が、畑仕事の最中に偶然、兵馬俑の破片を発見した話を知りました。
発見当時、中国は、文化大革命の真っ只中です。
古い物は権威的とされ、徹底的に否定され、破壊の対象にされる時代でした。
そのような中、必死に兵馬俑を守り通した一人として楊志発さんは、取り上げられていました。

ぼくは、「この人だ!」と思いました。
「子どもたちに、この人を合わせよう!」
と、画策し始めました。
学校が始まったすぐ後の9月に、修学旅行の下見に西安に行きました。
現地ガイドさんに「楊志発さん」について聞きましたが、そっけなく「知らない」と言われました。
ぼくは、
「兵馬俑坑の近くに住んでいるはずだ」
「どうしても、修学旅行のルートに入れて、子どもたちに合わせたい」
という話を現地ガイドさんに熱っぽく語っていました。
その熱意が伝わったのか、下見の車の運転手さんが、
「その人なら、知っているよ」
と言って、楊さんのいる場所に連れて行ってくれたのです。
~楊さんとの出会い~

楊志発さんとの初対面です。
ぼくは、若干緊張気味です。
苦手な中国語であいさつしています。
楊さんの後ろに飾ってある鍬(くわ)が、世紀の発見につながった現物です。

楊さんから、発見当時の様子や発見した後の苦労話などをお聞きしました。

楊さんが、
「人生で一番緊張した」
と言っていたクリントン・アメリカ大統領との面談の様子です。

日本に招かれて、講演をした時の新聞記事も展示してありました。

1974年に兵馬俑を発見してから
「辛い時期もあったし、楽しい時期もあった。私の人生は、右往左往しました」
と、写真1枚1枚を見ながら感慨深そうに語ってくれました。

農民であることを忘れないために、いつまでも、外には、荷車(リヤカー)を置いておくのだそうです。
この荷車に、掘り出したたくさんの兵馬俑を乗せて村役場に届けたのだそうです。

楊さんは、修学旅行での、受け入れを快諾してくれました。
「日本の子どもたちに、会えるのを楽しみにしているよ」
と言ってくれました。
ぼくは、心の中で、「やったー!」と叫びました。
上海に戻った後、このサプライズを子どもたちに話したら、大喜びをしてくれました。
その後、子どもたちは、楊さんや兵馬俑のことを自主的に猛烈に調べたのは言うまでもありません。
中国語で手紙を書いたり、質問事項を文書にしたりしていた子どももいました。
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~楊さんとの出会いに大興奮!~
楊さんは、兵馬俑坑の近くでホテルをやりながら暮らしています。
西安市内から30kmほど北東にあります。
車で約1時間くらいです。

「秦の兵馬俑を発見した人のホテル」という名前のホテルです。

ここが、楊さんの経営しているホテルです。
「賓館」とは、割と小さなホテルのことです。

最初の対面に子どたちは少し緊張気味です。

楊さんの話を真剣に聞き入っています。
・兵馬俑を発見して、村役場に届けたのに、そっけなく追い払われた話
・その後、大学の研究者によって、とんでもない価値のある物だと知った時の話
・でも、文化大革命によって全てが破壊されそうになった話
・関係者みんなで、文化大革命が過ぎ去るまで隠し通そうとした話
などなど興味深いお話がたくさん聞けました。

お話を聞いた後、交流の時間になりました。
用意してきたお手紙を中国語で読んでいる子どももいます。

思わずハグをしている子どもも現れました。
「兵馬俑を守ってくれてありがとう!」とでも言っているのでしょう。

恥ずかしがっていますが、会えた喜びが伝わります。

サインをしてもらう子どもも出始めました。

先生方も、会えてうれしそうです。

記念撮影です。
みんないい笑顔です。

楊さんは、ぼくたちの姿が見えなくなるまで、見送ってくれました。
素晴らしい時間を過ごすことができました。
兵馬俑が、発見され、破壊から免れ、世界的に価値が認められ、世界中の人が見ることができるようになったのは、楊さんのお陰です。
楊さん、本当にありがとうございます。
これからも、お元気で!
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~いよいよ、兵馬俑坑へ~



この後、いよいよ、兵馬俑坑へ入ります。
ぼくは、3回目ですが、子どもたちは、初めてです。
さぞや、ワクワクしていることでしょうね。
(第3話、終わりです)
(第4話は、「兵馬俑坑に大興奮」です)
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