シリーズ16の2<ブルガリア・ソフィア編>NO10
DAY8:2023年8月3日(金)その2
~「中央市場」の代わりに~
「ソフィアシナゴーグ」の後は、バザール(市場)に行くことにしています。
「地球の歩き方」の地図の中から、シナゴーグのすぐ近くに「ジェンスキー・バザール」という市場を発見しました。

地図で見るだけでも、相当な広さだと思います。
「中央市場(セントラル・ハリ)」が改装中なので、代わりにこのバザールに行くわけですが、この広さはかなりの物です。
こんなにも広いバザールは、想像するだけで、ワクワクしてきます。

予想通り、広大なバザールでした。
端から端までは見通すことはできません。
買い物客は、ソフィア市内の観光地とは比べものにならないほど、溢れていました。
観光客は、ほとんど見られず、まさに「ソフィア市民の台所」といったバザールです。
メインストリートには、アーケード状の屋根があります。
露天を想像していただけにアーケードがあるのにはびっくりしました。
野菜や果物など生鮮食品にとって、直射日光が当たる、当たらないは、影響大ですからね。

一種類の野菜が、山盛りです。
種類の多さよりも1種類の野菜の量に驚かされます。
ヨーロッパの人々は肉ばかり食べているイメージが強い(すいません!偏見です)ですが、この野菜の山盛りを見ると、しっかり野菜も食べていることが分かります。

お客さんを見ていると、カード払いではなく、ほとんどの人は、現金払いです。
市民レベルでは、それほどキャッシュレスが進んでいる感じはしません。

贔屓目(ひいきめ)に見ているのか、非常に美味しそうに見えます。
ソフィア近郊の農家が、朝の採れたてを並べているに違いありません。
こんな色つやのいいトマトは、ぼくの少年時代に見たトマトのようです。
(畑で熟れたトマトの丸かじりは最高の贅沢でした)
残念なのは、1個売りをしてくれなかったことです。
丸かじりがしたくて「1個ください」というと、
「ダメだ、ここに書いてある値段は500gの値段だ」
といって、バラ売りはしてくれません。
なかなか、みんな頑固者です。
考えてみると、ここは観光客が来るような場所ではなく、ソフィア市民が、日常的に買い物をする市場なので、「1個ください」などと言う人は、ほとんどいないですよね。(笑)

食料品ばかりではなく、雑貨店もありました。
店先には、ブルガリア織のミニマットなどが掛けられています。

この店は、ブルガリア刺繍(ししゅう)のシャツが掛けられています。

この店は、主に果物を売っています。

ブルーベリーや桃、バナナ、プラムなどの果物が売られています。

魚屋さんもありました。
店の数は少ないですが、しっかり冷蔵ショーケースで売られていました。
ブルガリアは、西端で黒海に面していますが、ソフィアからは遠いので、魚はかなり高値のようです。
これを見ても、「ヨーロッパの人は魚を食べない」という偏見が崩れ去ります。
ちなみに、「黒海」は地図では「湖」のように見えますが、ボスポラス海を通じて地中海とつながっているので、「海」として扱われているようです。

ヨーグルトやチーズ、バターなどを売る乳製品のお店です。
もちろん、ブルガリアなので乳製品のお店の数はかなり多かったです。

日本では、お目にかかれないような珍しいチーズやバターがたくさんありました。
試食ができないのが残念です。
(特に、笹かまぼこのように表面を焼いたようなチーズの味見がしたかったです)

香辛料もかなり多くの種類があります。
唐辛子(とうがらし)系より胡椒(こしょう)系が多いようです。

各種調味料です。
一つの容量が多めですね。

アーケードの境には、水場があり、冷たい水が自由に無料で飲めます。
この少年は、背が届かないので、縁に両足を乗せて飲んでいます。
ぼくも試しに飲んでみましたが、非常においしかったです。
炎天下の中のオアシスのようです。

いろいろな、容器のふたを売っている珍しいお店です。

バザールを「ふらブラ」歩いていると、いきなり日本語で
「ブルガリアを楽しんでますか?」
と話しかけられました。
すごく流ちょうな日本語です。
この女性は、ブルガリア人ですが、日本で20年以上仕事をした経験がある女性です。
今は、日本とブルガリアを繋ぐコーディネーターのような仕事をしていると話していました。「ブルガリアは、いなかだけど、とてもいい所でしょ!」
と、とびきりの笑顔で話されたのが印象的でした。
ぼくは、
「はい、ブルガリアの素晴らしさが、だんだん分かってきました」
と答えました。
本音です。

パン屋さんも何店もありました。
当然ですね。
主食ですからね。

0.35ブルガリアレフのパンは、早々に売り切れていました。
日本円で30円くらいなので、日本ではお目にかかれない値段の安さです。
売り切れる前に一目(ひとめ)30円のパンを見てみたかったです。
残ったパンの中では、0.6ブルガリアレフのパンが一番多かったです。
0.6レフは、50円くらいです。
やはり、市民のための市場です。
生活必需品は安いですね。

昼食は、この市場で0.6レフのパンや飲むヨーグルト、リンゴなどの果物を買ってベンチで食べました。
明日の朝食のパンも買いました。
さらに、明日はベオグラードへ旅立つので、バスの中での軽食用のパンも買いました。
バスの長旅では、パンなど簡単に食べられる物と飲み物が身近にあると安心できます。
パンだけで5,6個は買ったと思います。
ブルガリアのパンは、「何ということもないパンが、普通にうまい」ことが気に入っています。
リュック一杯の買い物をしても500円以下でした。
うれしい限りです。
結果論かもしれませんが、この「ジェンスキー・バザール」に来ることができて、すごく良かったと思います。
ソフィア市民の日常生活の一端を伺い知ることができたし、ブルガリアの生活必需品や日用品の物価も分かりました。
もし、中央市場(「セントラル・ハリ」)が、開いていて、観光客相手の市場だったら、このような経験ができずにソフィアを後にしていた可能性があります。
時間に余裕があったら、このような市場(バザール)に来るべきだと思いました。
午後からは、ミニトラム旅をしたり、明日の朝、困らないようにバスターミナルに行く予行練習をしたりする予定です。
(第10話、終わりです)
(第11話は、「やはり走っていたトラム」です)