シリーズ16の3<セルビア・ベオグラード編>NO4
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DAY10:2023年8月5日(日)その2
~「なんて日だ!なんて国だ!」Part2~
<拒否⑪>

ザグレブ行きの列車チケットを買うために、ベオグラード新駅に着きました。

長い列ができていました。
窓口は、一つしかありません。
待つこと25分。
ようやくぼくたちの番が来ました。
「7日のザグレブ行きチケット2枚、、」
と言った瞬間、
「ない。その列車は、もうない」
と、窓口の女性係員は、顔色一つ変えることなく、平然と言い放ちました。(拒否⑪)
「チケットがないということじゃなくて、列車が通っていないということ?」
と聞くと、
「その通り」
即答が返ってきました。
そして、いかにも「早く去れ」というような表情で、次のお客さんに目を向け、応対を始めようとしました。
苦労して、バスや電車を乗り継いで新駅まで来て、25分も並んだ末の秒殺です。

ぼくたちは、新駅の待合室のベンチで途方に暮れていました。
地図アプリで見る限り、線路はあります。(上の地図の赤色線)
何年か前の旅ブログなどでも、ベオグラードからザグレブへ列車で行った記事が何本も出ています。
そもそも、もともとは、同じ国同士じゃありませんか。
そんなに簡単に列車の運行がなくなるなんて、、、

旅の後、チケット予約サイトで調べても、列車はヒットしません。
本当になくなっていると思う方が妥当です。
きっかけは、コロナでしょうか?
それとも、ユーゴスラビア内戦のしこりでしょうか?
(クロアチアが独立しようとした時に、セルビアは、かなりしつこく足を引っ張り、クロアチア各地を空爆しました)
この期に及んで、理由なんて分かったところで、チケットが買えるわけではありませんが、、、
<拒否⑫>
もうこの頃は、かなり、絶望感に苛(さいな)まれていました。
やることなすこと、みんなシャットアウトですから。
(実は、新駅のトイレでもシャットアウトをくらいました。「清掃中」の表示が長引いていたのでおかしいと思ったら、トイレの故障だそうです。清掃員にしつこく「どうしても」とお願いすると「女性トイレに行け」と言われました。仕方なくそうしましたが、女性トイレで用を足している時、なぜか、涙が出そうなほど情けない気持ちになりました)
でも、何とか前に進むしかありません。
八方塞がりの中、くじけそうになる気持ちを奮い立たせ、新駅のベンチで出した答えは、
「8月7日以外のバスでザグレブに向かう」
です。
「今日の夜のバスがあれば、深夜でも向かう」
「明日(6日)のバスがあれば、明日ザグレブへ向かう」
「8日以降のバスがあるなら、それに合わせて日程を変更する」
「ホテルの変更は、その後、対処する」
などを、決めました。
そこで、再びバスチケットセンターへ向かうことにしました。
バスやトラムを乗り継ぐ気力がなかったので、タクシーで向かうことにしました。


↑ベオグラード新駅の口コミです。
本当に街の中心から行きにくく不便な所です。
ぼくたちのトラムやバスの乗り継ぎ方が悪くて行きにくいわけではないのが、お分かりいただけると思います。
みんなにとって、不便な場所ということが、口コミからもお分かりいただけると思います。
精神的に落ち込んでいるぼくたちには、もう一度、トラムやバスを何度も乗り継いでいく気力が湧いてきませんでした。
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新駅の前に、愛想のよさそうな、高齢のタクシー運転手が、待ちかまえていました。

ぼくたちは
「バスセンターまでだけどいくら?」
と聞くと
「メーターだから大丈夫」
と言われたので乗車しました。
運転手は、妙に機嫌がよく陽気です。
気分の沈んでいるぼくたちには、少し、鬱陶(うっとう)しいくらいです。
しばらくすると、タクシーの車窓から「空爆痕ビル」が見えてきました。

↑自動車の後方に見えるのが、「空爆痕ビル」です。
コソボの独立を認めず、セルビアはコソボを攻撃しました。
それに対して、NATOがセルビアを空爆しました。
1999年の出来事です。
記憶から消えないようにと、壊されたビルをそのままにしてあるのが「空爆痕ビル」です。
車内では、運転手は、相変わらず、陽気に好き勝手なことをしゃべっていました。
「日本人はグレートな国民だ!セルビア人は日本人が大好きだ」
「空爆痕ビルは、アメリカマフィアが攻撃した。アメリカは悪魔の国だ」
などと、ぼくたちが、聞いているのかどうかは、お構いなしに、しゃべり続けています。
ぼくは、その運転手が、サバ川のほとりを走ったり、市街地に入ったり、かなり前から、おかしいなと思っていました。
それが決定的になったのは、「空爆痕ビル」前を通った時です。
「空爆痕ビル」はバスステーションよりもずっと北側にあります。
中心部より南側にある新駅からバスステーションへ行く場合、通るわけがありません。
「道が違う。なぜ、こんなにも遠回りしてるんだ」
と言うと、いきなり表情が変わり、
「バス停ならどこでもいいと思った」
とか意味不明な言い訳をし始めて、無口になり、表情が険しくなりました。
あれだけ陽気だった人間が、いきなり無口になると、かなり怖い感じがします。
「トラブルが起きるな」という予感通り、降りる時に、料金でおおいに揉めました。
運転手は、「メーターが途中で故障した」とか言い出して、25ユーロ(約3800円)を要求してきたのです。
おそらく、ぼくたちが、見てないうちに切ったのだと思います。
「10ユーロ(約1500円)しか払わない。10ユーロだって高いくらいだ」
「25ユーロ分は乗ったはずだ」
「勝手に遠回りしておいて、25ユーロも払えとはおかしい。それに、最初はメーターだから大丈夫と言ったのは、そっちだろ」
「メーターの故障だから仕方ないだろ。25ユーロ払え」
「メーターの故障なんて嘘に決まっている」
と、言い争いになりました。
結局、10ユーロの提案は拒否され(拒否⑫)、15ユーロ(約2300円)で妥協しました。
いつまでも、言い争っていても疲れるだけだし、まだ、チケットを買うという本来の目的を達成していないわけだから、無駄な時間を使いたくなかったというのが本音です。
遠回りされたうえに、ぼったくりです。
気分は最悪です。
悪い時には悪いことが重なるものですね。
落ち込んでいた気分が、さらに落ち込んでしまいました。
<拒否⑬>
今日だけで3回訪れたバスセンターの窓口に、また、来てしまいました。
これで4回目の訪問です。
今日だけで3回の対応した窓口の女性係員は、ぼくたちの姿を見て、奥の方に姿を消しました。
「4回目はごめんだわ!」とでも思ったのでしょうね。
代わりに窓口に現れた窓口の女性係員に
「7日以外のザグレブ行きのバスチケットを紹介してください。今日これからでも、6日でも8日でも9日でもいいです。」
と言うとその女性係員は、丁寧に
「5日、6日、8日、9日は全く空いていません。10日まで全くないですよ。5日~9日までは全部満席ですよ」(拒否⑬)
とパソコン画面まで見せて説明してくれました。
一番早くても、8月10日です。
愕然(がくぜん)としました。
8日も9日もないなんて予想外だったからです。
この街に余計に3泊もしなければいけないと思うと、いたたまれない気持ちになりました。
ぼったくタクシーに出会ったばかりだから、尚更(なおさら)です。
一刻も早く、この国から抜け出したいと思っていたので、10日発のバスは、許せるものではありません。
<拒否⑭⑮>
またまた、完全に「八方塞がり」です。
「万策尽きた」というのは、こんな時に使う言葉だということを実感しました。
ぼくたちは、話し合った結果、
「バスも列車もダメなら飛行機しかない」
という結論を出しました。
乗り合いタクシーも考えましたが、料金が高過ぎます。
「陸移動」にこだわっていると、旅そのものが断線してしまいます。
もう、「陸移動」にこだわっている場合ではないことは明白です。
飛行機チケット購入に向けた取り組みを始めました。
ぼくがいつも使っている、スマホの旅行会社のサイトで飛行機チケットを探しました。
でも、見つけることができませんでした。(拒否⑭)
バスセンターの近くの旅行会社で聞いても、
「空港へ直接行け。ここでは、売っていない」
と、言われました。(拒否⑮)
こうなったら、直接、空港へ行くしかありません。
これから、ベオグラードの国際空港「二コラ・テスラ空港」に向かいます。

さて、飛行機チケットは無事、買えるのでしょうか?
(第4話、終わりです)
(第5話:「空港でチケットは買えたか?」です)
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