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・モルダウ川のほとりに立つ「スメタナ像」の脇で「わが祖国」(第2曲:モルダウ)を聞く。

と書いたことを「カレル橋」の上で思い出しました。
ブルタバ川が滔々(とうとう)と流れるのを見ていたら、あの美しい壮大なメロディが頭の中に浮かんできたのかもしれません。

旅前には、やはり、「ブルタバ川」を「モルダウ川」と表記していました。
チェコ人の願いには思いが至っていなかったみたいです。
チェコを訪れてみて、チェコ人の思いに気付くことができたわけです。
旅は物事をいろいろな角度からその人なりに深く広く考えるきっかけになるのかもしれませんね。

「スメタナ博物館」まで来ました。
ここから眺めるブルタバ川、カレル橋、プラハ城は絵になります。
チェコ・プラハが「世界一美しい都」と言われるのも納得できる気がします。

スメタナさんの銅像です。
ぼくは、この銅像の脇でブルタバ川を眺めながら「わが祖国 ブルタバ川」を聞き始めました。
今は、スマホさえあれば大抵の曲は聞くことができるのでとても便利ですね。
もともと、どこで聞いても感動的な曲ですが、「ブルタバ川」「カレル橋」「プラハ城」の3点セットを眺めながら「わが祖国」が聞けて、震えるほどの感動です。

~スメタナさんがもたらした独立への機運~

スメタナさんが「わが祖国」を作曲したのは、1874年から1879年にかけてです。
チェコが400年もの間、ハプスブルグ家の支配を受けていた時代です。
チェコ人が最も自信を失っていた時代かもしれません。

そのことを如実(にょじつ)に表すマサリクさんの言葉を紹介します。
以下は、マサリクさんが、その当時のチェコを振り返り、語った言葉です。

「チェコ人は長年の他国による支配により、そのことが当たり前になり、そのことに抗(あらが)おうとしなくなってしまった。
そして、自らの国家を否定することに慣れてしまった。
もう独立などできないんだと自分たちに信じさせようとさえ思えた」

1880年、そのような情勢の中、スメタナさんは、出来たばかりの「わが祖国」を発表したのです。
何と演奏したのは、チェコのシンボルの一つ「ブルタバ川」の中州(なかす)でした。
その演奏には、たくさんのチェコ人が集まったと言われています。
チェコの美しい自然や文化を表現したこの「わが祖国」にチェコ人の魂が、強烈に揺さぶられました。
そして、眠らされていたチェコ人の民族意識を目覚めさせました。
その後、チェコの人々は「わが祖国」を機会あるごとに口ずさむことになります。
同時に、チェコの人々の間に独立の機運が急速に高まっていくのです。

そして、ついに、その機運の高まりが、マサリクさんがリーダーとなり巻き起こる独立への動きと重なっていくのです。

スメタナさんが、そして「わが祖国」が、虐(しいた)げられてきたチェコ人に誇りと民族意識を取り戻すきっかけを与えたのです。

レノンさんにしても、スメタナさんにしても、音楽の力ってすごい!ですね。
音楽は、人に理想を持たせたり、誇りや勇気、団結力を与えたりできるのですね。

そんなことを考えながら聞く「わが祖国 ブルタバ川」は、ぼくにとって、この旅にとって、特別な音楽になった気がします。

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~ほんの休憩のはずが、、~

とりあえず、今日の行きたかったスポットには全て行くことができました。
パブ「イエローサブマリン」で飲んだ3杯のビールジョッキが効いてきました。
少し眠くなってきたので、ホテルで中休みをしてから、夕飯を食べに行こうということになりました。

今、カレル橋の袂(たもと)「スメタナ博物館」にいます。
ブルタバ川沿いの路面電車17号に乗ってホテル(青色矢印)前の「イェチュナー通り」に出れば、たくさんのバスやトラムが走っています。
簡単にホテルに帰ることができそうです。

「イェチュナー通り」に出ました。
路面電車からトラムに乗り換えようと歩いています。
途中、ふと見上げると、立派な教会がありました。

あとで、名前を知るのですが「聖イグナチオ教会」です。
ぼくたちは、この旅で、「歩き疲れたら教会で休息」が定番になっています。
この時も、何ということもなく、
「ちょっと、入ってみるか」
程度の軽い気持ちで入ってしまいました。
地元の人のための教会は無料で入れるし、異宗教の人に対しても寛容です。

入って、びっくりです。
本格的な教会です。

主祭壇までの通路や天井が淡いピンク色を基調にしていて、とてもお洒落です。
今までに見たことのない配色です。
「こんな華やかな教会もあるのか!」とびっくりしました。

主祭壇の十字架のキリストさんは小さく謙虚に作ってある分、何だか慈悲(じひ)深さを感じます。

~知らないうちにミサが、、~

荘厳で静かな雰囲気は教会の居心地の良さにつながります。
くわえて、なぜか教会の中は真夏でも涼しいのです。
ぼくたちは、最前列の椅子に座り、この居心地のいい教会でしばらく佇(たたず)んでいました。
しかし、いつの間にか、気を失っていました。
レノンウォールのパブで飲んだ3杯のビールが効いてしまって、居眠り?熟睡?したようです。

どれくらいの時間が経ったかは分かりませんが、完全に意識を失っていました。
Sくんが、
「おい、宮田!大変なことになってるぞ!」
と、ぼくを起こしました。
Sくんの方が先に起きたようです。
ぼくは、ふと我に返りましたが、「大変なこと」の意味がすぐには理解できませんでした。
Sくんが目立たないように後ろを指さし
「後ろ見てくれ」
と小声でささやきました。
ぼくも目立たないようにゆっくりと後ろを振り向きました。
すると、居眠りの前には想像ができないほどの人々が、びっしりと礼拝用の椅子に座っているではありませんか。
ぼくたちは、
「どうする?」
と、ささやきましたが、もうどうすることもできません。

冷静になって考えると、今日は日曜日です。
夕方からのミサのために地元住民が大勢集まっていたのです。
日曜日にはミサがあることは、知っていましたが、まさか、自分たちがその中に遭遇するとは、思いもよりませんでした。
人々の真剣な雰囲気の中、最前列のぼくたちが、席を立つわけにはいきません。

ミサが、どれくらいの時間がかかるか分かりませんが、終わるまで参加するしかないと、覚悟を決めました。
しばらくは、おとなしく、大司教や司教の説法?を聞いていました。
突然、ミサの参加者がすくっと立ち上がり、賛美歌(さんびか)を歌い出した時にも、なるべくタイミングを外さないように、ぼくたちも立ち上がり、口パクで何とかごまかしていました。

そのうち、ミサの参加者一人一人が、大司教の前に行き、小さな煎餅(せんべい)みたいな物を口に入れられる儀式が始まりました。

前列の人から順番に並ぶのがルールのようです。
右側エリアの女性がトップバッターでした。
「おい、次の次くらいがおれたちの番だぞ。荷物持って帰り支度をして、司教の前で口開けばいいようだな」
と確認し合って、意を決して立ち上がりました。

ぼくは、笑わないようになるべく神妙(しんみょう)な顔をして
「今だけは、キリスト教信者だ!」
と自分自身に言い聞かせて、煎餅を食べさせてもらいました。
あまりに緊張していたので、煎餅の味は覚えていません。
ほとんど味がなかった気がしますが、、
ただ、煎餅よりは柔らかく口溶けがよかったような気がします。
大きさは、小さく薄かったので一口で食べることができます。

終わってしまえば、どうということはありませんが、大司教の前に異教徒がしゃしゃり出て、煎餅みたいなものを食べさせてもらうのは、意外に勇気が必要でした。

「おー緊張したな」
「うまくいってよかったな」
「おれたち、ただ居眠りしてただけなのにな」
「後ろ見た時はびっくりしたな」
「もう逃げられないと思ったよな」
「でも、誰でもができるわけじゃない貴重な経験させてもらったよな」
などと言いながら、聖イグナチオ教会を後にしました。

ちなみに、後で調べたところ、大司教が口に入れてくれたせんべいのような小さな食べ物は、「ホスチア」という名前です。
キリストさんの最後の晩餐の時に弟子たちに与えたパンが由来となっているようです。
「パンがキリストさんの体」
「赤ワインがキリストさんの血」
だと思って、ミサなどには振舞われるようです。
ワインは神父とか大司教しか飲まないようです。

「どうせなら、煎餅じゃなくて、ワインが飲みたかったなあ」
などと不届きなことを考えてはいけませんね(笑)

~酒飲みには便利なホテル~

想定外のミサに参加することになり、予想以上の時間を費やしてしまいました。
「ちょっと、休憩しよう」
くらいの軽い気持ちだったのにかなりヘビーな体験をさせてもらいました。
だから、聖イグナチオ教会から出た時にはすでに、夕方になっていました。
今日も、スーパーで買い物して部屋飲みしながらの夕食になりそうです。
ホテルで休憩してからもう一度観光に出かける時間はなさそうです。

ちなみに、ホテルを出たすぐ左角には酒屋さんがありました。
さらに、ホテルの2軒隣には、スーパーがあります。
そのはす向かいには、地図では「インド食材店」とありますが、パンや温かい総菜などを中心にいろいろ売っているスーパーがありました。
近くの通りを歩くだけで食べたいものが手に入るとても便利なホテルです。
ホテルの部屋には、冷蔵庫がなかったので、ビールが飲みたくなるたびに、ちょいと買いに行ける酒飲みにはとても便利なホテルです。

~2晩目の爆音は?~

さて、2泊目の夜は、暴走族の皆さんはおとなしくしててくれるのでしょうか?
昨日は土曜の夜だったので特別うるさかったのかもしれません。
ぼくたちの安眠を妨げないことを神様?大司教?にお祈りしつつ、ベッドに入りました。

さて、爆音は?

(第9話、終わりです)

(第10話:「ユダヤ人街へ」です)

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