シリーズ16の5<ハンガリー・ブダペスト編>NO11
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DAY18:2023年8月13日(日)その2
~行列の中、セーチェニー温泉に入るのか?~

トラムに乗って、セーチェニー温泉に来ました。

豪華な外観にびっくりです。

しかし、入口には大行列ができています。



今日が日曜日だということをぼくたちは忘れていました。
こんなにも温泉に入りたがる人が多いとは予想外の出来事です。
並んでいる人たちは、上手に日影を選んで列を作っていますが、この人数が入口まで入るには、2時間以上はかかりそうです。
入口に向かって列がほとんど進んでないからです。
そして、その後、入口に入って、ごったがえす人混みの中、お金を払ったり、ロッカーを探したり、着替えたり、シャワーを浴びたり、芋の子を洗うように温泉に浸かったり、、、
想像するだけで気が滅入(めい)ってきます。
のんびりゆったり温泉に浸かろうと思っていたのに、、
ぼくたちは、頭を冷やすために一旦、裏口の静かなエリアで作戦を練ることにしました。
最初に案内板を見つけた、あの入口から入り、豪華なソファーに座りながら、いろいろ話し合いました。
そして、情報を集めるために様々な掲示物を読み始めました。

各エリアやサービスの開始時間が書いてあります。

どうやら、ぼくたちの入ってきた裏口?(こちらが表口かもしれませんが)は、スパを予約したお客さん用の入口のようです。
お金持ちがスパと一緒にマッサージやアロマをしてもらう、いわゆる「VIP」専用の入口のようです。
高いものだと60分で48000フォリントなどという表示が出ています。
約2万円です。

いやはや、、そのようなVIPの情報ばかりが電子掲示に表れます。

エグゼクティブ・リラックゼーション・エリア 43000フォリント(17000円)など、ぼくたちには、とても関係があるとは思えない情報ばかりです。

ところが、画面が切り替わるのを粘り強く見ていると、
「GOOD MORNING BUDAPEST TICKET(BETWEEN 7 AND 9 A.M)」
なるものを発見しました。
月曜日から木曜日の朝7時から9時なら7500フォリント(3000円)
というぼくたちにとっては物凄くありがたーい情報です。
今日これから入ると10900フォリント(4360円)です。
あの大行列に2時間並んで疲れ果てて、さらに高い料金を払うのは、かなり抵抗があります。
こんな時のぼくとSくんの価値観はぴったり合います。
「明日にしよう!」
で決まりです。
明日の月曜なら、少し早くとも値段は安いし、日曜日ほど混んでいないはずです。
のんびり、ゆったりできそうです。

念のための確認も忘れませんでした。
温泉スタッフに上の翻訳アプリを見せました。
笑顔で「もちろん」と言われた時には、パッと目の前が明るくなりました。
明日は、ハンガリー観光最終日なので、行ってない所とかもう一度どうしても行きたい所へ行くための予備日にしてありました。
こんな時のための予備日です。
月曜の早朝だから、料金的にも安いし、今日のような大行列には、まず遭遇(そうぐう)しないと思います。
ようやく気持ちが楽になりました。

気持ちが楽になったので、室内のいろいろな箇所にも目が行くようになりました。
↑セーチェニー温泉の泉質一覧表が掛けてあります。

内部は、大聖堂かお城並みの豪華さです。
屋根のドーム部分だと思われます。
明かり窓が温泉色でなかなか雰囲気があります。

モニュメントの前で、記念撮影する人もいます。
こちらの入口に用事がある人は、やはり、VIPです。
一般庶民(しょみん)は、暑い中、大行列に並んでいます。
ぼくたち2人も一般庶民ですが、大行列には並びません。
定年おやじは、徒(いたずら)に体力を浪費しません。(笑)
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~気持ちを平和交流に~
温泉を、明日の早朝に回すことにしたので、今日のメインの一つ「平和交流」を、この後、することにしました。
ぼくたちは、世界陸上の会場に行けば同時に「平和交流」もできると、安易に考えていました。
だから、平和交流についての代案は準備していません。
そこで、スマホアプリで人が集まりそうな広場か公園を探してみました。
すると、セーチェニー温泉から地下鉄1駅で行ける近間(ちかま)に「英雄広場」があるではありませんか。

赤矢印が「英雄広場」です。
広場なのでたくさんの人がいて、平和交流ができそうな予感がします。

「英雄広場」は、建国1000年を記念して造られた広場だと書いてあります。
1896年に造られたということは、130年の歴史があります。

ブダペストのメインストリート「アンドラーシ通り」の始点ともなっている超有名な「広場」のようです。
~英雄広場で~

「英雄広場」で一番目立つのは「建国1000年記念塔」です。
高さ35mで塔の上には、大天使「ガブリエル」さんがいます。
その塔の根元には、マジャル族の族長「アール・バード」さんがいます。
「アール・バード」さんは、たくさんの英雄が建ち並ぶこの「英雄広場」の中心にいます。
「英雄の中の英雄」というところでしょうか。

マジャール族の部族長たちが「アール・バード」さんを支えているようです。

観光客の2人の女性と比べるとその大きさが分かると思います。
人間の頭と馬の蹄(ひづめ)がだいたい同じくらいの大きさです。

よく見ると、この女性たちは、なぜか日なたで休憩しています。

「建国1000年記念塔」の裏に回ってみると、日影で佇(たたず)んでいる人たちが、結構たくさんいます。
さっきの女性2人は、日影にたくさんの人がいるので、仕方なく日なたで休んでいたのですね。

観光客も徐々に増えてきたようです。

よく見ると、何かの会場になるようです。
スタッフが、懸命に作業に追われています。
スマホで調べてみると、何と、世界陸上のマラソンと競歩のスタートとゴール地点になることが分かりました。
考えてみると、朝一で行った陸上競技場では、市街地から離れ過ぎています。
マラソンや競歩のようなロードを利用する競技には不向きな場所にあると思います。
やはり、走りながら(歩きながら)「ブダペスト絶景の街並」を楽しんだ方が選手は気持ちがいいと思います。
テレビなどで競技を見ている全世界の人々も同じだと思います。
この英雄広場をスタート・ゴール地点にすれば「アンドラーシ通り」から「くさり橋」「ドナウ川」「王宮の丘」などコースに設定できるので、世界遺産の街並が遺憾(いかん)なく堪能(たんのう)できます。
さすが、ハンガリー人です。
(ぼくでも気付くのだから、皆さん気付きますよね)

そう思って見ると、陸上競技の準備に見えてきます。
日本の時計メーカー「SEIKO」のロゴも見られます。
時間を計る競技において「SEIKO」は、信頼が高く、頻繁(ひんぱん)に使われているようです。

観客席も出来上がっているようです。

平和交流をしようと思って、この広場に来てみたわけですが、何となく、そんな雰囲気ではありません。
日陰で佇んでいる人たちにはチャンスと思って近付いて行ってみましたが、声をかけず仕舞いです。
ぼくたちと目を合わせてくれないし、何か、目に見えないバリアみたいなものを感じて声のかけにくさを感じました。
セルビアやクロアチア、ブルガリアのように、向こうから笑顔で声をかけてくれる救世主みたいな人も現れません。
マラソンや競歩の会場なら付近で現地練習している選手がいるかと思い、広場周辺を探してみましたが、そのような選手には出会えませんでした。
とにかく、平和交流に付き合ってくれそうな人が見当たらないのです。
ぼくたちは、途方に暮れてしまいました。
今日は、何だか途方に暮れることが多いような、嫌な予感がしてきました。
~近くの公園で作戦会議~

「英雄広場」には、日影が少ないので、日影を探して彷徨(さまよ)っていたら、上の写真の公園に出くわしました。
この公園なら木陰もあり、水辺もあるので、涼しく過ごせそうです。
しばらく休憩をした後、公園内で平和交流をすることにしました。
公園内には、英雄広場より結構、暇そうな人がたくさんいたからです。
さて、実践は、、、
芝生で寝ている男性の脇に行ったら嫌な顔をされました。
ベンチで佇んでいる男性に声をかけたら「忙しい」と断られました。
読書をしている女性に近付いただけで場所を変えられてしまいました。
なかなか、うまくいきません。
さて、これまで、順調につないできた平和交流は、この大好きな街ブダペストで途切れてしまうのでしょうか?
それとも、何か打開策は出るのでしょうか?
(第11話、終わりです)
(第12話:「途切れてしまうのか?平和交流!」です)
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