シリーズ16の5<ハンガリー・ブダペスト編>NO10
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DAY18:2023年8月13日(日)その1
昨日は、ペスト地区「王宮の丘」やブダ地区「国会議事堂」を中心に観光をしました。
今日は、世界陸上の会場に行った後、セーチェニー温泉に入る予定です。
世界陸上のメイン会場に行けば、もしかして、日本の選手団に会えるかもしれません。
そして、ひょっとしたら平和交流ができるかもしれないと密かな願いもあります。
旅番組の中で、セーチェニー温泉に入りながら、地元の人たちがチェスを指している場面をよく見ます。

日本人のぼくたちは、そこでチェスではなく日本の伝統的対戦型ゲームである将棋を指してこようと意気込んでいます。
今日は、「世界陸上」「平和交流」と「温泉」「将棋」の4つの目玉で朝からワクワクです。
さて、うまく事は運ぶのでしょうか?
~世界陸上メイン会場へ~
世界陸上ブダペスト大会は、8月19日(土)から27日(日)までの予定でハンガリー・ブダペスト市内で開かれます。
日本のみならず世界中から超一流の陸上選手がブダペストに集結します。
オリンピックに匹敵する世界規模の陸上大会です。
それだけでもワクワクしてきます。
そんな選手たちの練習している姿に出会えるかもしれないと考えて、今日、大会のメイン会場に行ってみることにしました。
選手なら本番前に会場で練習してみたいと思うのが、当たり前です。



赤色シェイプの所がメイン会場になる「ブダペスト国立陸上競技場」です。
まず、ホテルから「長距離バスターミナル」まで歩きます。
「長距離バスターミナル」は、初日にクロアチアからバスで着いた地点です。
そこから、トラムに乗り、ドナウ川の川岸に出ます。

ドナウ川の川岸まで来ました。
橋の下からは会場が見えます。
すぐそこです。
歩いても行けそうです。

でも、地元の人に聞くと、「あのトラムに乗っていけばすぐに着ける」と教えてくれたので、目の前にあったトラム乗り場からトラムに乗りました。
~遠ざかる会場~

しかし、何ということでしょう!
そのトラムは、減速などすることなく、会場を通り過ぎてしまいました。
車窓から会場がくっきりと見えましたが、停車するどころか、どんどん遠ざかってしまいました。
ぼくたちの予想では、会場の真ん前で止まるに違いないと信じていたので、通り過ぎた時には、かなりショックでした。

そのうち停まるだろうと思っていると、どんどん進んで、ついには、会場が見えなくなるくらい遠くに来てしまいました。
地図で見ると、乗った駅から会場までの5倍くらいの距離まで離れてしまいました。

誰も降りないし、誰もいない駅にぼくたちは、なぜかぽつりと佇(たたず)んでいます。

折り返しのトラムは、なかなか来ません。
どうやら、ほとんど利用する人がいないローカルな路線のようです。
~再び会場を目指して~

もう一度、さっき乗った駅にトラムで戻ってから、今度はドナウ川に沿って歩いて会場に向かいました。
歩いても大した距離ではありませんでした。
なぜ、あの時、あのトラムに乗ってしまったのか、悔いが残ります。
地元の人の意見は、絶対ではないことは承知しているはずなのに、、、

でも、
「このゲートをくぐれば、世界の一流選手たちが、練習しているかもしれない」
と考えるとウキウキしてきます。

しかし、「WELCOM」とは書いてありますが、全く「WELCOM」ではありません。

幾重(いくえ)にもフェンスがしてあり、誰が見ても通行禁止です。
会場には絶対に行けそうにありません。
しかも、向こうに見えるのは、会場準備に追われているスッタフだけで、選手は全く見当たりません。

看板を見ると、ここが世界陸上の会場であることは間違いありません。

しかし、開会が1週間後に迫ってきているのに、まだまだ、準備中のようです。
日本の知り合いから、出場選手の現在の動向を探ってもらっていますが、うまく掴(つか)めません。
唯一分かったのが、チェコにいる北口榛花(はるか)選手は19日にチェコから直接ブダペストに入ることだけです。
他の日本選手団の動向は全く分かりません。

どこかに入口がないかと思って、競技場周辺を歩き回っても、どこも進入禁止です。
競技場に近付くことすらできません。
くたくたになってきたところで、そろそろ諦めた方がいいことに気持ちが偏っていきました。
記念に競技場をバックに写真を撮り、自分を慰めるしかありませんでした。

今回のブダペストの旅で最初の挫折(ざせつ)です。
ブダペストでは、昨日まで多少小さな失敗はありましたが、計画したことは、ほとんど無事に行うことができていました。
挫折だらけだったセルビアとは全く違います。
ぼくたちは、歩き疲れて、日陰で佇んでいました。
上の写真は、かなりの時間を過ごした高架橋下の日影です。
用事のない時に限って、結構、トラムが通り過ぎます。
~セーチェニー温泉へ~
ぼくたちは、しばらく日陰で体力を回復した後、気持ちを切り替えて、セーチェニー温泉に行く計画を立てました。

「長距離バスターミナル」まで戻ると、そこから「セーチェニー温泉」に直接行けるトラム路線を発見しました。

無事トラムを乗り継ぎました。
トラムの中には、持ち物から推測して、これから温泉に行こうとしている人がかなり見られます。
この時は、セーチェニー温泉がどの程度人気のある温泉なのか、考えもしませんでした。
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~いよいよセーチェニー温泉へ~

セーチェニー温泉らしき建物が見えてきました。

間違いありません。
写真通りの建物です。
近付けば近付くほど、宮殿のように豪華に見えます。
日本人的な感覚だと温泉にこんな豪華な建物は必要ないような気がしますが、、

赤○印の所に来ました。
お客さんは、ほとんどだれもいません。
静かな温泉です。
入口は、今いる逆側なので、向こう側に回ってください、とのお知らせ看板です。
案内板通り、ぐるりと回って、入口へ行ってみます。
~何と大行列!どうする!?~

何やら人がたくさんいます。
何の人だかりか最初はよく分かりませんでした。

よく見ると、温泉の入口から続いているようです。

近くの人に聞いてみると、セーチェニー温泉に入るために並んでいるのだそうです。
「なぜそんな当たり前なことを聞くんだ?」
と怪訝(けげん)な顔をされました。

まだまだ、後ろにも人が並んできます。
どんどん、列は長くなってきます。
入口に向かって、ほとんど列は動きません。
忘れていましたが、今日は日曜日です。
観光客ばかりではなくブダペストの地元住民も「セーチェニー温泉」に来ているようです。
これから温泉に入るには、並ぶしかありません。
さて、どうする!?
定年おやじ2人。
(第10話、終わりです)
(第11話:「並んで入るか?セーチェニー温泉」です)
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