「なんちゃって世界一周！」～やはりトラブル続出！でも、やっぱり異国は面白い！～シリーズ２０の１＜ベトナム編：NO５＞

シリーズ２０の１「なんちゃって世界一周！」：NO５
◇ベトナム編：NO５◇

DAY３：２０２４年１１月１日（木）その２

気温３３℃の中、ベトナム戦争証跡博物館の見学をしています。

手作りバインミーを食べた後、再び、館内３階に戻り、④から見学再開です。

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～枯葉剤の散布という暴挙～

ベトナム側がゲリラ化していく中、アメリカ軍は、ベトナムゲリラに手を焼き、地上戦よりも空爆に力点をおくようになります。
そして、ある意味、爆弾よりも恐ろしい枯葉剤の散布という暴挙（ぼうきょ）に出るのです。

当初、アメリカ軍は、枯葉剤の散布によって、森林を枯らし、ベトナムゲリラの隠れる場所を狭めることを狙いにしたようです。

「ベトナム戦争中に有毒化学物質が蔓延した地域」というタイトルの地図です。
ほぼ、ベトナム全域に有毒ガス（枯葉剤：ダイオキシン）が散布されたことが分かります。

森林が枯葉剤の影響で急激に枯れていく様子です。
しかし、被害は森林ばかりではありませんでした。

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**～猛毒ダイオキシンのばらまきと被害～**

枯葉剤には、高濃度のダイオキシンが不純物として混入されていました。
アメリカ軍の言い分では、
「当初その毒性を認識せず、１９６１年から約１０年間使用し続けた」
とのことです。
後の調査で分かることですが、その間、枯葉剤の中には、少なくとも１７０ｋｇの高濃度のダイオキシンが含まれていたと言われています。
ちなみに、１ｇのダイオキシンは体重５０ｋｇの人間を１万人殺す力があることが分かってきました。
単純計算で、１７０ｋｇのダイオキシンは、１７億人の人間を殺す力があるということです。

ダイオキシンの怖さは、直接、人体に浴びた人の被害ばかりだけではありませんでした。
遺伝子にも影響を与え、ダイオキシンを浴びた親から奇形児が生まれるという恐ろしい被害が続出したのです。

何の罪もないベトナムの人々が、原因の分からないまま様々な甚大な被害を受けることになるのです。

眼球が機能しない子ども、身体の一部が異様に大きくなっていく女性の様子です。

身体の一部が生まれつき欠損している赤ちゃん、脳がない赤ちゃんなど被害はどんどん明るみになっていきます。

もちろん、生まれたばかりの赤ちゃんには自分がどんな状態なのか判断する力はありません。

原因が分からないうちは、ただただ、
「普通ではない状態で生まれ、しばらくしたら死んでしまった」
ということで処理されていたようです。

日本人にとっては、二重体児は「ベトちゃん、ドクちゃん」ですが、決して二重体児は、「ベトちゃん、ドクちゃん」だけではありません。

「ベトちゃん、ドクちゃん」は、日本の支援で日本の大学病院で手術を受けることができました。
手術の結果、「ベトちゃん」と「ドクちゃん」という２人の個人として生きることができました。
日本のみならず世界の人々から、その後の動向の関心を集めていました。
しかし、他のほとんどの二重体児は、生まれてから死ぬまで二重体児のままでした。