DAY7&8:2020年1月30日(木)&31日(金)その5

~さらば、モスクワ!~

ロシアから中国に入れる最後の飛行機です。
大雪でも、強風でも、とにかく飛んでほしいと願いました。

願いは通じて、上海行の飛行機は、予定通り、モスクワを飛び立ちました。

~なぜ?ぼくたちだけ~

安心したとたん、お腹が減っているのに、気が付きました。

モスクワ空港では、ロビーでの仮眠だったので、当然、朝食は食べていません。
お腹ペコペコです。
こんな時ほどアクシデントは起こるものです。
ロシア人と思われるCAさんが、朝食を配り始めました。
ぼくは、待ってましたとばかりに、早々とテーブルを立てて、待ち構えていました。
ところが、ぼくたちの1画6人だけ配られず、ぼくたちに向かって

「Time over. Comeback here later」

と言ったきり、再度来る気配が、全くなかったのです。

まわりの人たちは、おいしそうに朝食を食べています。
それでも、日本人の感覚からすると、遅くともそのうち配られるだろうと思いますよね。
しかし、全くその気配すらありません。
そのうち、他の乗客は、食べ終わり、食後のコーヒータイムに入っていったのです。

配られなかったぼく以外の5人は、何も抗議する気配はありません。
でも、ぼくは食べたかったし、なぜ、ぼくらだけこんな差別されなければならないのか、不当な扱いをされなければならないのか不思議で仕方ありませんでした。

意を決して、CAに

「I’m hungry and so angry.

Why not so late.

I’d like to breakfast.」

と抗議しました。

CAは悪びれる様子もなく、何事もなかったかのように、謝罪もなく、ぼくにだけ、朝食を置いていきました。

気分は悪かったものの、空腹には勝てず、普通においしく食べてしまいました。
何だったのか今でも不明です。

上海までは、9時間のフライトですが、時差分の5時間が今度は加算されるので、上海には深夜の23時過ぎの到着になると思われます。

~通路側派?窓側派?~
外は、徐々に暮れてきています。
ロシア・ツンドラ地帯の地平線の向こうに沈もうとしている太陽をずっと眺めていました。
ぼくは、飛行機に乗ることが日常的になってきた頃、
「座席は通路側」
をリクエストするようになっていました。
通路側は確かにトイレに立ったり、荷物を出したりする時には、便利ですよね。
もう一つの理由は、「通」ぶりたかったのかもしれません。
通路側を選ぶ人は、旅慣れた人、飛行機に乗り慣れた人という感じがしますよね。
だから、一時、通路側を選ぶ時期があったのは事実です。
でも、通路側に座っていても飛行機の外が、気になっていつも落ち着きません。
昼でも夜でも長距離便でも、やはり、ぼくは、

「いつも飛行機の外を眺めていたいんだ」

と自覚するようになりました。
今では、よほどのことがない限り、窓側をリクエストします。
窓側の席は、確かに不便ですが、それらを補って余りある「窓からの絶景」が味わえます。
素人だと思われようが、何と思われようが、ぼくは、今後も「窓側」を選ぶと思います。

~上海到着!~

おなじみ、上海浦東空港上空の景色が見え始めました。

どうやら、無事に上海に到着できそうです。

中国国内が、上海市内が、コロナ騒ぎの中、どんな状況になっているのか?
ぼくは、無事、自分のアパートに帰れるのか?
機内にいるぼくは、これから起こることをほとんど想像することは、できませんでした。
今まで経験したことのない非常事態ですからね。

(第28話、終わりです)

(第29話は、「無事にアパートに入れるの?」について紹介します)

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