DAY7&8:2020年1月30日(木)&31日(金)その2
~「ヤド・ヴァシェム」からテルアビブ空港へ~
「ヤド・ヴァシェム」の本館を出た後、もう一度、杉原千畝さんの記念植樹に行きました。
この前の初老の男性にも声をかけられましたが、「もう大丈夫ですね?」と言われたので、これまでのお礼やお別れの挨拶やハグをして、一人で庭園に入っていきました。
その後、「子ども記念館」にも寄り、足早に「ヤド・ヴァシェム」を後にしました。
ホテルでスーツケースを受け取り、路面電車に乗りました。
バスターミナルから空港行きのバスに乗り換え、空港に向かいました。
予想以上に順調に進んでいます。

空港行きのバスの様子です。
~ 一転、不安な情報が ~
バスに乗れてホッとして間もなくのことです。
下のメールが友人から届きました。

ロシアをはじめとする、中国と国境を接している国々が、コロナ対策で国境を封鎖し始めたのです。
今現在は陸路だけにとどまっているものの、空路をふさぐのは時間の問題だと予想できます。ロシアから上海に入れないとなるとピンチです。
頭の中でモスクワ→インチョン→日本→上海とか様々なシミュレーションが浮かびましたが、今は祈るしかありません。
「心配しても、なるようにしかならない」と自分自身に言い聞かせて、バスに揺られていました。
とにかく早く、空港に着き、航空券を手に入れることだけを考えることにしました。
~空港でさらなる不安が~
空港に着くなり、足早に搭乗手続きに向かいました。
エアロフロート・モスクワ行きのチェックインカウンターには、2~30人くらいの人たちが列を作っていました。
前方の様子をよく見ると、どうも2列に分けられているようです。
チケットを簡単に発給され、スムーズに進んでいる人たちと、何かの理由で待たされている様子の人たちです。
待たされている人たちの列を見ると、欧米系の人たちも見られますが、圧倒的に中国人が多く、嫌な予感がします。
いよいよ、ぼくの番です。
「モスクワでトランジットですね?」
「モスクワからの上海便が飛ぶかどうか分かりません」
「そちらの列で、もう少しお待ちください」
やはり、そうきたか!
嫌な予感が的中しました。
落胆しましたが、仕方ありません。
中国人がたくさん並んでいる列に、ぼくも並ぶことになりました。
中国人たちは、大声でいろいろ空港職員に抗議の声を上げていましたが、ぼくには、祈るしかありません。
抗議していいことがあるなら、参戦しますが、空港職員に抗議しても、もっと上層部での決まり事だと思うので、あまり意味のないことだと感じていました。
長い時間、待たされたような気がしますが、しばらくすると、列の前方の中国人たちの大きな歓声が聞こえました。
ぼくも、負けずに大声を上げました。
飛ぶことが決まったのです。
~航空券ゲット!~

上が、テルアビブ→モスクワのチケットです。
下が、モスクワ→上海のチケットです。
航空券をゲットできた時には、とび上がるくらいの万歳をしました。
まだ、油断はできませんが、とりあえず、「嘆きの壁」でお祈りしたご利益があったのかもしれません。
(第25話、終わりです)
(第26話は、「ロシアで1泊」について紹介します)