シリーズ16の6<ブラチスラバ&ウィーン編>NO16
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DAY23:2023年8月17日(木)その8
~ベルベデーレ宮殿到着!~
「リンク1周トラムの旅」が成功しませんでしたが、ベルベデーレ宮殿へ向かっています。

ようやく、ベルベデーレ宮殿が車窓から見えてきました。
ベルベデーレ宮殿の閉館は6時で、あと20分ほどしかありません。
トラムを4本も乗り継いで、ようやくたどり着いたベルベデーレ宮殿です。
トラムから降りた後、入場できることを祈りながら、速足でベルベデーレ宮殿に向かいました。

あと10分くらいしかない中、時間ぎりぎりベルベデーレ宮殿に入ることができました。
恒例ですので、少しベルベデーレ宮殿の説明させてください。


造らせたのは、どうやら、あの「オイゲン公」のようです。

当ブログNO13の「王宮」の紹介の時に登場したあのオイゲン公が夏の離宮のために造らせたのですね。

現在は、「上宮」はギャラリーに、「下宮」は美術館になっているようですね。

ぼくたちが今いるのが、「上宮」の方です。

上の案内図と南北が逆で見にくいですが、ぼくたちが到着したのが赤色のシェイプがついている「上宮」です。
「上宮」の南側(下側)が無料で入れるエリアです。
地図のはるか上(北)の広大な庭園の向こうに「下宮」があります。
「上宮」の館内や「下宮」エリアは入館料が必要です。
別のサイトに広さを示す表現を発見したので紹介します。

東西に1800m、南北800mの長方形と考えると約1.44㎢の広さです。
東京ドームに換算すると30個分の面積です。
シェーンブルン宮殿は約1.7㎢、東京ドーム36個分なので広さ的には両者に遜色(そんしょく)がないことが分かります。
もちろん両者ともに世界遺産に登録されています。
~虹のお出迎え~

「上宮」から巨大噴水の方に目を向けると、大きさ的には小さいですが、虹が出ています。
ウィーンは法律で決まっているのか、超高層ビルがないので広く空が眺められます。
こちらサイドの庭園も広いように見えますが、「下宮」方面の庭園の3分の1以下です。

この角度だとエンジェルが天に昇るような神秘的な感じさえします。

東の空は少し暗くなってきたような気がします。
6時になりましたが、まだ、閉館の連絡はないので、ぎりぎりまで居座ろうと思います。

6時15分頃、観光客がぞろぞろと出口に向かうので、ぼくたちも退場することにしました。
まだまだ、明るいので閉館時間という感じはしませんが、、
ウィーン観光もフィナーレです。
これ以上長居をするとブラチスラバに帰れなくなる恐れがあります。
これからウィーン中央駅に向かいます。
朝早くからよく歩いたと思います。

ベルベデーレ宮殿からウィーン中央駅まではトラムの駅2つで着きます。
~駅で「冤罪(えんざい)事件」発生!~
ウィーン中央駅に着いたのは、7時頃です。

19時17分発ブラチスラバ行きは、諦(あきら)めました。
余裕を持って切符を買ったり、夕飯を買ったりしたいからです。
だから、ぼくたちは、20時17分の最終列車に乗って帰ります。
最終列車は21時23分にブラチスラバ到着予定です。
「冤罪(えんざい)事件」は、帰りの切符や夕食を買い、待合所のベンチに腰を掛けている時に起こった出来事?事件?です。

<スキンヘッドの男がぼくの近くに>
ぼくは、駅のベンチの椅子に腰かけています。
相棒Sくんは、トイレに行っていたので、近くにはいません。
ベンチの椅子一つ開けて右隣に写真のスキンヘッドの男が腰かけてきました。
近くに来た時から何か嫌な「皮膚感覚」がありました。
でも、近くに座ったからと言って、露骨(ろこつ)に席を変わるのも大人気(おとなげ)ないと思い、じっとしていました。
<眠ったスキンヘッドの男>
スキンヘッドの男は、ぼくの近くに腰かけた後、すぐに目を閉じ、眠り始めました。
ぼくは、何となく安心しました。
これで、変な因縁をつけられることはないと思ったからです。
しかし、事件が起こったのは、彼が寝入ってから数分後のことです。
<パーカー帽子男、スキンヘッドを殴打>
パーカーの帽子を深く被(かぶ)ったいかにも怪しげな男が、ベンチの中央を通って、こちらに来るではありませんか。
そして、何を思ったか、そのスキンヘッドの男の頭を思いきり引っ叩(たた)いて、素早く去っていったのです。
パチーンという大きな音がしたので、近くの人はみんなこちらに注目しています。
スキンヘッドの男は、もちろん目を覚まし、明らかに怒りの眼付きです。
うたた寝はしていましたが、誰かに頭を殴られたのは分かったようです。
<疑いをかけられたぼく>
スキン男は、誰が殴ったのか、突き止めようと鋭い目つきに変わってきました。
その時、運悪くぼくと目が合ってしまいました。
ぼくは「やばい!」と思い、目をそらそうとしましたが、時すでに遅しです。
スキン男は、ぼくの目の前に立ち上がりました。
ドイツ語らしい言葉だったので、何を言っているのかは、はっきりとは分かりませんでしたが、
「何すんだ。この野郎!」
「おれを殴ったのは、お前だろ!」
と、掴(つか)みかかってこようとしました。
「こりゃ危ない!」と思ってぼくは瞬間的に立ち上がり、スキン男の手の届かない所まで逃げるのがやっとでした。
ぼくは立ち上がりましたが、委縮してしまいました。
スキン男が思ったよりでかく190cmはある大男だったからです。
ぼくは攻撃する気はありませんでしたが、あんな大男の攻撃をくらったら無事では済まないと思いました。
とっさに
「殴ったのはおれではない」
「お前を殴ったやつは向こうに行った」
と大声で瞬時だったのでもちろん日本語でスキン男に言いましたが、大男の怒りが収まる様子はありません。
<助けてくれた向かいのお父さん>
大男が再びぼくに掴みかかりそうになった時です。
一人の男性がぼくを助けてくれました。
向かいに座っていて事件の全てを見ていた男性です。
「殴ったのは、この人ではない」
と言ってくれたのだと思います。
ドイツ語だったので意味は分かりませんでしたが、スキン男はピタリと攻撃をやめたので、内容的には大きく外れてはいないと思います。
きっぱりとした大きな声だったおかげもあると思います。
その後、スキン大男は、いかにもばつが悪そうにリックを背負ってその場から立ち去って行きました。(上の写真)
ぼくに謝罪をしたかどうか分かりませんが、おそらくは、してないと思います。
どう贔屓目(ひいきめ)に見ても、ぼくに一点の非はありません。
完全に冤罪(えんざい)です。
<向かいの男性にお礼を>

助けてくれたのは、写真の男性です。
ぼくは、とりあえず英語でお礼を言いましたが、伝わっているかどうか分かりません。

だから、スマホの翻訳アプリをドイツ語モードにして、上記のようなメッセージを見せました。
向かいの男性は、
「お役に立ててよかったです」
「あなたが無事でよかったです」
と言ってくれたような気がします。

さらに、娘さんだろうと思われる幼い女の子に上記のメッセージを見せ、お父さんの素晴らしさを讃(たた)えました。
女の子は、照れたような表情をしてお父さんの首にしがみつきました。
~ブラチスラバ駅へ~
その後、Sくんがトイレから戻ってきました。
ぼくは、当然、今起こった事件を話しました。
Sくんは
「そうか、そりゃたいへんだったな」
で終わりです。
確かに、殴られたわけではないし、何か取られたわけではないので、結果的にはとるに足りない事件だったのかなと思います。
助けてくれた親子に握手と会釈をしてぼくたちは、ブラチスラバ行きの列車に乗り込みました。

列車内では、もう何事もなかったかのように、夕食を食べました。
内心では、まだ、もやもや、ドキドキは収まっていませんでしたが、、

ジャガイモの天ぷらみたいなものをつまみにビールを飲みました。

モッツァレラチーズとトマトが挟んである超ロングなサンドパンも食べました。

ビールを飲みながら、超ロングで食べにくいパンを食べていたら、あっという間にブラチスラバ駅に着きました。

ブラチスラバの駅前に戻って来ました。
9時半を回るとさすがに暗くなっています。
バスでホテルまで帰ります。
ほぼ一日中歩き回ったので、さすがに疲れました。
もしかしたら、歩き疲れよりも、「冤罪事件」に巻き込まれたのが、一番の疲労の原因かもしれません。
明日はブラチスラバの最終日です。
どんな感じで過ごすのでしょうか?
(第16話、終わりです)
(第17話:最終話「ブラチスラバ最終日」です)
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