シリーズ16の6<ブラチスラバ&ウィーン編>NO7
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DAY22:2023年8月16日(水)その4
~偶然見つけた、ホロコースト追悼碑~
「ブラチスラバ城」観光を終えて「聖マルティン大聖堂」へ行く途中、追悼碑(ついとうひ)のようなものを偶然、見つけました。

地図の左側にブラチスラバ城があり、右側に聖マルティン大聖堂があります。
聖マルティン大聖堂を探しながら歩いている途中に出会った施設を紹介します。

追悼碑と思われるモニュメントのてっぺんには、ユダヤ教のシンボル、六芒星(ろくぼうせい)=ダビデの星が掲げられています。
これを見て、ユダヤ人&ユダヤ教に関係する施設に違いないと確信しました。
ブダペストでは、体調不良のためシナゴーグに行くことができませんでした。
規模は全然違いますが、ここで見つけたのも何かの縁だと思い、立ち寄ることにしました。
後で調べると、この記念碑の正式名称は「ブラチスラバ ホロコースト犠牲者追悼モニュメント」といいます。

このモニュメントは、ショア(ヘブライ語でホロコーストの意味:ユダヤ人大虐殺)の犠牲者となったスロバキア出身のユダヤ人10万5000人以上を記憶にとどめるために建立されたものです。
ブラチスラバは、19世紀頃から中欧に住むユダヤ人の重要拠点でした。
スロバキアでも、長い年月、ショアという名の下で多くのユダヤ人が虐殺されました。
その中でもやはり第2次大戦下が酷かったようです。
1940年にブラチスラバに住んでいた1万5000人のユダヤ人のうち、ホロコーストを生き延びた人はわずか3500人だったということです。
4分の3のユダヤ人がこの世から抹殺されたのです。
わたしたちは、
ユダヤ人迫害=ナチスドイツのホロコースト=アウシュビッツ
とステレオタイプで考えがちです。
しかし、こういった施設を訪れると、ヨーロッパのユダヤ人への迫害は決してナチスドイツだけの問題ではなく、時代的にも地理的にも大きな広がりと根深さがあることに改めて気付かされます。
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~聖マルティン大聖堂~

「聖マルティン大聖堂」の85mの尖塔は遠くからでも目立ちます。

この大聖堂も外観がシンプルで余計な装飾がありません。
壁の白色、屋根のオレンジ色の配色は、ブラチスラバ城と同じです。
何でもブダペストと比べるのはいかがなものかと思いますが、ブダペストのいろいろな建築物と比べ、この「聖マルティン大聖堂」も外観で見る者を圧倒したり、惹きつけられたまま見惚れてしまうということはありません。
どちらかというと、見る者に「やすらぎ」や「安心感」「さわやかさ」のようなものを与えてくれます。
くわえて、建物そのものが存在感を主張していないので、街全体の調和が崩れません。
(ちなみに、この地域のほとんどの建物が白壁にオレンジ色の屋根です)

この「聖マルティン大聖堂」は、14世紀の初めに建てられたブラチスラバで最も古い教会だということです。
そして、ステンドグラスが有名だということも載っています。
ぼくの娘が、なぜかステンドグラスに興味があり、
「ヨーロッパ行ったら、たくさん写真撮ってきて!」
と頼まれています。
有名なステンドグラス、早く見たいです。

入り口を入ると、遠くに主祭壇が見えます。
礼拝のためか、観光のためかは、よく分かりませんが、かなり多くの人々がいます。
言い忘れましたが、ブラチスラバには、それほど観光客は多くないようですが、この施設にはかなり多くの人が集まっています。

主祭壇に向かって、前進していきました。
正面の主祭壇は、黄金です。
その周りをステンドグラスが囲んでいます。
主祭壇の上のドーム状の天井は、ステンドグラスの窓と一体化していてとてもおしゃれです。
外観からは想像できないくらい、室内は豪華です。

細かな窓枠の中には、多種多様なステンドグラスがくまなく組み込まれています。
~確かにお見事!ステンドグラス~
館内をぐるりと回り、どんなステンドグラスがあるのか、少し紹介します。
余計な説明はしませんので、じっくりとご覧ください。





お見事!ですよね。
~繊細な造りに驚き~

向かって左側には助祭壇があります。

十字架に張り付けられたキリストさんがいます。

キリスト昇天の各場面が、金属の立体で造られています。
目を凝らしてみると、どの部分も、ものすごく丁寧で繊細な造りです。

幼子(おさなご)をあやす母親の眼差し(まなざし)に惹きつけられて、思わずアップで撮ってしまいました。
まるで、マリア様のような眼差しです。

助祭壇の下の部分には「最後の晩餐(ばんさん)」の立体型の金属鋳造があります。
絵画では何度か見たことがありますが、立体の作品は初めて見ます。

向かって右側の助祭壇です。
左側に劣らず繊細で細かな造りです。
驚きです。
~巨大なパイプオルガン~

正面主祭壇の真後ろには、パイプオルガンがあります。

パイプの長さを入館者の背丈と比べてください。
優に人間の2倍はあります。
パイプの太さが知りたかったので、2階に上がろうとしましたが、進入禁止でした。
誰か演奏してくれないかなと密か(ひそか)に願っていましたが、願いは叶いませんでした。

ステンドグラスと彫像のコントラストも「お見事」の一言です。

大聖堂に入った時には、青空だったのに、いつの間にか曇り空になっていました。
青空の見えないヨーロッパは、涼しくて過ごしやすいですが、妙に物悲しくなります。
一日の中で夏から秋に急変してしまったかのようです。
夕方5時を過ぎました。
そろそろ、お腹が減ってきました。
(第7話、終わりです)
(第8話:「久しぶりの外食」です)
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