シリーズ16の2<ブルガリア・ソフィア編>NO9
DAY8:2023年8月3日(金)その1
~平和交流活動inソフィア~

昨晩、予想外の花火鑑賞ができたこともあり、爽快な朝を迎えました。
今日は、「平和交流活動」からスタートする予定です。

昨日、休憩した公園に行ってみました。
そこには、笑顔で陽気な、いかにもブルガリア人と思われる男性と、はにかみながらも誠実そうなアジア系の男性が、話している姿を見つけました。
協力してくれそうな予感がしたので、ぼくたちは声をかけてみました。

予想通り、何も不審感や不快感を示さずに、ぼくたちを受け入れてくれました。
ソフィアに住んでいるオクストンさんです。
時間はかかりましたが、手先が器用で、きちんと鶴を折ってくれました。
メッセージも面倒くさがらずに書いてくれました。

「平和交流スケッチブック」には、「世界平和」(下から3行目)と書いてくれました。
ぼくたちの願いに共感してくれたようです。
~ここにも、ウクライナ侵攻の影響が!~

もう一人の男性は、チェンゴラさんです。
トルクメニスタン系のウクライナ人だそうです。
外見は、もちろん、アジア系です。
ブルガリアには、旅行ではなく、仕事をしに来ていると言っていました。
ブルガリア滞在中にロシアのウクライナ侵攻が起こったそうです。
ウクライナにいる家族の話をした時には、心配そうな表情を浮かべていました。
今、ご家族をブルガリアに呼ぼうといろいろ画策していると言っていました。
ぼくたちは、祈ること以外、何もしてあげることができません。
「侵攻が早く終わり、ご家族ともども平和で安全に暮らせることを願っています」
と激励し、その場を後にしました。

チェンゴラさんのページです。
チャンゴラさんは、オクストンさんとブルガリアで知り合い、お世話になっている友達だということで、同じページにオクストンさんも載せることにしました。
ブルガリアで偶然知り合った2人です。
こんなにも間近にロシアのウクライナ侵攻の影響を受けている人が存在していることに、ぼくたちは、驚くしかありませんでした。
でも、チェンゴラさんたちと知り合って、改めて感じたことは、人種や国籍は、異なっても、平和を求める気持ちは、万国共通だということです。
~ソフィア・シナゴーグ~
次は、一昨日、行けなかった「ソフィア・シナゴーグ」へ向かいました。
シナゴーグとは、ご存じの通り、ユダヤ教徒のお祈りの場です。
日本語では、キリスト教の「教会」と区別して「会堂」と訳す場合が多いようです。

「ソフィア・シナゴーグ」です。
入館時には、手荷物等、珍しいくらい厳重にチェックされました。
入館時の手荷物検査は、ソフィアの施設では、初めてです。
やはり、ユダヤ系の施設は、入館時の警戒は怠(おこた)りがありません。
入館料は、5レフでした。(約400円)

「ソフィア・シナゴーグ」の入場券です。
何かの大集会の際に撮った写真だと思われます。
ぼくたちが、訪れた時には、ほとんど、入館者いませんでした。
下の写真は、入場券とほぼ同じショットです。

ユダヤ人には、東欧系と南欧系の2つの勢力があると言われています。
この「ソフィア・シナゴーグ」は、南欧系の勢力下に入り、南欧系シナゴーグの中では最大級だと言われています。
1909年に建てられたので、100年以上の歴史があります。
ブルガリアにどれくらいのユダヤ人がいるのかは定かではありませんが、1948年には5万人前後いたユダヤ人のほとんどがイスラエルに移住した後は、1000人前後にまで減少したということです。

ちなみに、ブルガリアは、第二次大戦の際、ユダヤ人を誰一人として強制収容所に送らなかったヨーロッパでは稀な国だということを知りました。
ドイツと枢軸同盟を結んでいたにもかかわらず、なぜ、そんな奇跡的な出来事が起こりえたのか非常に興味があります。
「善のはかなさ」などを読んで学習したいと思います。
話を戻します。
現在では、1000人以下に減少したブルガリアのユダヤ人ですが、そのほとんどが、首都ソフィアに住んでいると言われています。
1000人以下の信者と入館料収入だけで、この巨大なシナゴーグを維持していくのは困難だと思われます。
世界のユダヤ人ネットワークでこのようなシナゴーグの維持管理が行われているようです。

シナゴーグの中は、厳粛・荘厳・お洒落、、どんな表現がぴったりなのか、分からないくらい非の打ちどころがない造りです。
上の写真の左上右上に吊り下げられているランプの根元には、細かな星で「ダビデの星」が描かれています。

ちなみに、イスラエルの国旗の真ん中に描かれている星が、「ダビデの星」です。
「ダビデの星」は、ユダヤ教やユダヤ人の象徴とされているマークです。
2つの正三角形を逆に重ね合わせた六芒星(ろくぼうせい)=ヘキサグラムと言われる形をしています。

上の写真のように巨大シャンデリアの付け根にも「ダビデの星」が隠れています。
細かな所までじっくり見ると、いろいろな発見ができます。
ちなみに、ドームの中央からぶら下がっている、この巨大なシャンデリアは、重さ2tもあり、ブルガリア最大級だという話です。

外光を取り入れる丸窓も「ダビデの星」の構成要素である「正三角形」を連想させるデザインです。
丸窓から入る黄色味を帯びた外光は、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
「ソフィアシナゴーグ」の後は、バザール(市場)に行こうと思います。
中央市場(セントラル・ハリ)が工事中なので、別のバザールを探さなくてはいけません。
セントラル・ハリに匹敵するバザールを探すことはできるのでしょうか?
(第9話、終わりです)
(第10話は、「中央市場の代わりに」です)