DAY2:2017年11月25日(土)その2
~嘉峪関(かよくかん)長城へ~
今回の旅の3つ目の目玉「万里の長城」の西の端に行く、を実現するため嘉峪関(かよくかん)へ来ました。
敦煌市の「莫高窟」から真東へ車で移動しました。

嘉峪関長城前の入口に着いたのは、夕方5時を過ぎていました。
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下の地図の黄色矢印が敦煌で、青矢印が嘉峪関です。
地図で見ると大した距離ではなさそうですが、縮尺を読み取ると約500kmの移動です。
日本人にとって、かなりの移動距離です。
昼頃、敦煌を出たのに到着が夕方になるのも、頷(うなづ)けます。

上の「万里の長城地図」を見るとお分かりいただけると思いますが、嘉峪関市には、長城の「西の端」があります。
地図の青色の凹凸線は、秦代に造られた長城です。
赤色の凸凹線は、明代の長城です。
万里の長城は、人工衛星から見える、唯一の人工物と言われるだけあって、とてつもない長い建造物です。
秦代と明代合わせた、総延長距離は約2000km以上あります。
その西の端が、嘉峪関なのです。
西の果てと言いますが、言い換えれば、万里の長城の西の始まりと言ってもいいと思います。

嘉峪関市の地図を見ると、一方向だけの長城ではなく、結構、複雑に長城が存在していることが分かります。

嘉峪関長城は、ユネスコの世界遺産に指定されている「万里の長城」のスタート地点であることが示されています。

中国明代の英雄・朱元璋(しゅげんしょう)さんの銅像です。
朱元璋さんは、もちろん、明の初代皇帝です。
安徽省の貧農の6人兄弟の末っ子として生まれ、極貧から身を起こし、中国皇帝にまで昇りつめた人です。
治世の年号から「洪武帝」とも呼ばれています。
「北伐」と呼ばれる、元を北方へ追討することに成功し、漢民族の手に中国を取り戻したことで、漢民族からは、絶大の人気があります。
この地まで朱元璋さんが、実際に来たのかどうかは、分かりませんが、北方騎馬民族を討伐した英雄ということで、銅像があるのですね。

嘉峪関長城の雄閣です。

1里ごとに建てられたと言われている「見張り台」です。
雄閣の脇に建っていました。
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長城の出入り口です。
普段は、分厚い門で閉ざされています。
当たり前ですよね。
長城の目的は、人(敵)の流れを遮(さえぎ)ることですからね。

雄閣をくぐって、中に入ってみました。

雄閣の中には、様々な建築物がありました。



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城壁のように四方を囲むような構造です。
中庭のようなスペースには、ゲルがあり、実際に現在も使われているような雰囲気があります。

北方騎馬民族が使った移動式住居「ゲル」がなぜここにあるのか、ガイドさんも分かりませんでした。
明朝にとって、長城は、北方騎馬民族、特にモンゴル族を防御するために築いた壁ですよね。
だから、壁の向こうには行ってほしくないけど、ここまでは、来てもいいよという意味だったのですかね?
それとも、武装敵兵は来てはダメだけど、商業活動をする人は、漢民族だけじゃなくモンゴル族でも匈奴(きょうど)でも来てもいいよ、という意味なのでしょうか。
どなたか、知っている人がいたら、教えてください。

東に向かって、伸びていく長城が見渡せます。
こんな何もない所に、このような障害物を延々と築くなんて、よほど、外敵が怖かったんですね。

城壁からかなり高い所に立派な建物があります。

立派な建物の正体は、嘉峪関長城の中心「嘉峪関」です。

長城の外側には、観光用のラクダが何頭かいました。
ここでは、敦煌のように隊列を作らずに、単独でラクダに乗れるようです。

嘉峪関をバックに記念撮影です。
6時半近くになりましたが、あともう一か所観光予定です。
中国西域に来ると、日没が遅いので、時間の感覚が変になりそうです。
普通なら、6時半と言えば、そろそろ夕食ですよね。

もう一か所は、嘉峪関の「名門」です。
趣のある見張り台です。
門の下を流れている川に注目ください。
完全に凍っています。
まだ、太陽が沈む前ですが、すでに、氷点下になっていることは、間違いありません。
日没後は、また、-7℃でしょうか?

西日に向かって走行しています。
ガイドさん兼運転手さんは、見えているのか、いないのかよく分かりませんが、スピードを落とす気配はありません。

まぶしい西日の中、嘉峪関市内にある「天商ホテル」に着きました。
今日ぼくたちが泊まるホテルです。
夜8時を過ぎていたと思います。
中国では、「酒店」と書いてあると大抵は「ホテル」です。
ちなみに「飯店」も「ホテル」です。
酒や飯を提供する店と勘違いしそうですよね。
ちなみに、写真は、朝、撮影したものです。
(第5話、終わりです)
(第6話は、最終話です。「万里の長城第一墩(とん)へ」です)
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